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くり坊 News ニュース
2017年2月21日

森林レンジャーがゆく Vol.70

あきる野市の森の今と未来を守るため誕生した“森林レンジャーあきる野”
ここでは、各隊員からコメントが届きましたので紹介します。
第70回目は、隊員の杉野さんのコメントです。
ニュース画像
ニクザキン科カエンタケ
危険なキノコ「カエンタケ」

 昨年の秋に、市内でカエンタケというキノコを発見しました。とても危険な毒キノコで死亡例も報告されています。このカエンタケの毒性は他に類を見ないほど強いといわれており、素手で触れただけでも、やけどのように皮膚がただれるといわれます。誤まって食べてしまうと、はじめに、唇や口内がただれてくるようです。
 都内でも、複数の場所でカエンタケの存在を確認していますが、その他の地域でも広く生息していると聞いています。特徴は、赤色から淡褐色(肌色)で、地面から指を突き出したような独特な形状をしているため、子どもが興味を持つこともあり、とても危険です。しかし、駆除などの対応は取られていません。
 本来カエンタケは、暖かい地方のキノコですが、全国的に広がりをみせて問題になっているキノコです。原因の一つは地球温暖化による分布域の拡大があげられます。さらに、関西から北陸にかけて広がるナラ枯れ病によるナラ・カシ類の集団枯損地域とカエンタケの分布拡大域が重なることからこの集団枯損も関係しているといわれています。
 市内では、枯れたトチの切り株に発生していることから、ナラ枯れ病との関係と矛盾しない発生パターンとなります。このトチの枯れた切り株を観察しているとまず始めにアミスギタケの発生が見られました。このキノコは、白色腐朽菌と呼ばれる種類で、菌が植物細胞のセルロースなどの難分解組織を分解する能力を持ち、切り株をボロボロにします。数年後、ボロボロになった腐朽部に追い打ちをかけるようにカエンタケが発生しました。ナラ枯れ病のナラ菌は、真菌類ですが、同じ流れでカエンタケが発生することから、カエンタケそのものは腐朽力の弱いキノコと判断していましたが、最新の研究では、カエンタケは木材を腐朽させるキノコではなく、木材を分解する菌類を餌にしているといわれ始めています。そのため、ナラ枯れ病の原因であるナラ菌を防除することで、それを餌とするカエンタケの発生も抑えられると考えられます。防除には、殺菌剤での対応が試されています。市内のトチに発生したアミスギタケの菌も、この殺菌剤で死滅させることができれば、カエンタケを駆除できるのではないかと考えています。
(杉野)
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